<< ユリカーン復活! | main | ユリカーン元気です! >>

誰かの真実〜Saving All My Love for You〜

JUGEMテーマ:音楽

2012.2.13 

ビジネス街のカフェでカフェオレを飲みながら手帳に書いた日記。

==================================================

大な歌手の死に、世界中のトップアーティストがコメントを寄せる。
「ホイットニーがいなかったら私はシンガーになっていなかったかもしれない。」
携帯の画面のその文字に、うなずく私もまた、その一人である。

英語ではなんといったのだろう?
ニュアンスが違ったかもしれない。

ちょうど私の世代、30代くらいの女性singerなら誰もがホイットニーに憧れたのではないだろうか。

今の世代の若者にとってのレディーガガがそうであるように、
歌だけではなく、「一人の女性の存在そのもの」に皆が憧れ、
「ホイットニーになりたい」と、どう頑張っても無理なことを本気で願う友人も居たほどだ。

私の心の中にはいつも書きかけの哲学書があり、
綴じられずバラバラなページは雑多にカテゴリ別の引き出しに詰められている。

そのうちの一つがハラリと顔を見せ、主張を始めた。

未完成なテーマ「誰かの真実」
誰にも言わない下らない確信。核心。革新。





 

それは突然にやってくる。

お芝居を見ているとき、
映画のワンシーン、
ラジオから流れる歌、
ダンサーのその動き、
右側にあった絵画。

否応なしに、自分自身の核心を、ちょうど達人が放ったダーツの矢のように、まっすぐに突いてくる。

たったその、一つのために、
何度も劇場に足を運び、
何度も美術館のチケット売り場に並び、
何度も巻き戻し、再生する。

そこのあるのは何?
そこのあるのは多分「誰かの真実」だ。

一番好きなミュージカル作品の「オペラ座の怪人」は、もともとホラー小説だった。
あの名曲を書いたアンドリュー・ロイド・ウェバーは、実際にサラ・ブライトマンに恋をしていた。
才能を持った作曲家と、世にも美しい歌声の歌姫。
そう、ファントムと、クリスティーヌのように。

最初は気付かない。
でもそれは、体の真ん中に居座り、
ある時パンと割れ、
分量を間違えた残念なゼリーのように、どろどろと私を支配する。

「感動」より「ショック」に近く、
「傷を癒す」より「膿を出す」に近いその衝撃と波動。




まだ10代の頃、歌の先生が私に歌わせたのはホイットニーヒューストンの
「Saving All My Love for You」。

Sweetなメロディーと、オシャレな3連のリズムは一見、素敵でHAPPYなラヴソングのようだが、
実際は結構大変な恋をしている女性の心境を歌ったナンバーだ。

おそらく、相手の男性は結構どうしようもない人で、
友達にも「他の人にしなよ」と言われてしまう。
自分でも分かっているけど、その恋がやめられず、彼が今から来ると思うとソワソワ・・・。

というような歌詞だ。

私は当時確か、大変な恋愛をしていて、もともと恋愛に対してかなりの面倒くさがりだった私は、
本当に心底、面倒くさかった。
悩んでいることも面倒くさいし、面倒くさい状態にいる自分も面倒くさかった。

ただ、レッスンでこの歌を歌った時、当時の先生が
「あなたこの歌上手だね。〇〇さんも上手だったよ。」と誉めてくれた。
後から話を聞いたら、〇〇さんもこの歌詞ソックリな、私より遥かに面倒くさい恋をしていた。
(そして私の100倍それを楽しんでいた。)

今でもこの曲は大好きで、レッスンでもよく生徒さんにすすめる。
面白いくらいに人それぞれで、それは「それぞれの愛のカタチ」なのかも知れないと思う。
 
中でも「ほかに私くらいあなたを愛してくれる人はいないわよ!」と、思わずホンネが出たようなこの歌詞には、ブラボーと叫びたくなる。よくぞ歌詞にした。

ここにもきっと、
「誰かの真実」が
「誰かのリアル」が
詰まっているんだろう。

作詞家のリアル。
作曲者のリアル。
アレンジャーのリアル。
プロデューサーのリアル。
歌い手のリアル。

それが、「自分のリアル」、「自分の真実」と同じ波長で響きあうとき、

「偉大なアーティスト、私には手の届かない人」

と分かっていても、

「あなたは私の親友?どうして分かるの?」

と思ってしまうのだ。

きっとそれが「真のアーティスト」なんだろう。



片手で簡単に、コピーペーストできる時代になった。
でも私は、
自分のコトバで、「自分の真実」を、語りたい。

かっこ悪くても、自分の真実を積み上げて、
小さなお城を作るんだ。

ホイットニーは、偉大な歌手に囲まれて育った。
古きよきものが、体に染みこんでいる。

でも彼女の歌は、新しい。
新しくて、懐かしい。

沢山の黒人歌手の誇りが、詰まっている。
そして、人としての誇りが。

彼女の歌は誰にも真似できない。
そして、
彼女の歌を誰もが真似した。


どうしても出来ないけれど、彼女が持つ、彼女の真実に、
少しでも、近付きたかったんだ。

彼女のように「自分の真実」を表現できるアーティストでありたい。
彼女が歌うと全ての楽曲は、彼女のために作られたようだった。


一人の偉大な歌手、そして一人の女性、
ホイットニー・ヒューストンを偲んで。

singer松岡ゆりな



| | 04:41 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
Comment









Trackback
url: http://blog.singer-yurina.com/trackback/993381

01
--
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
31
--
>>
<<
--
Profile
New entries
Archives
Categories
Recent comment
Mobile
qrcode
Links
Others
無料ブログ作成サービス JUGEM