<< ちょっと振り返る。 | main | プレゼント第一号。 >>

橙〜おれんじ〜。

__.PNG
今日ぼくは初めてぼくが生まれるところを見た。

そこにはなにもかも揃っていた。
すべてが白くて、透明だった。


ぼくがすこーしだけ大きくなり、
1つずつ色が増えて、
12色揃った頃、

とても“大切な色”が失われた。

…ぼくにとって“大切な色”は「全て」と似ていた。

それから、
ぼくは自分が生きる世界を「絶望」と呼ぶことにした。

そして「孤独」というプラカードを見つけ、首から下げることにした。

まだほんの少ししか生きていないのに、
これから先は全て「燃えかす」のように見えた。
それは、一見形になっているけれど、さわるとパラパラと粉になるタバコの灰のようだった。

しかし、そこには不思議な安定感があった。
これ以上、落ちたり、堕ちたりしない場所。

不思議な安定感にひたひたに浸かるぼくは周りから見ると、
「哀しいピクルス」のようだったに違いない。

それはそれで、美味しいので、
だんだんそれが当たり前になって来て、

だんだん、もともとがどうだったかすら、わからなくなっていた。

「絶望」の中にも「喜び」はあるし、
「絶望」の中にも「笑い」はある。

ただ、全てが「絶望」の中にあるだけだ。


ある時、世界がピカーンと光って、
オレンジ色っぽいところに来て、

気がつくと「絶望」は姿を消していた。

最初は様子がわからなくて、
そのことに気がついた時、

本当に不思議だけど「淋しい」と感じた。

ぼくは知った。

何もないことは「しあわせ」だと。

何もないところに一つずつ大切な宝物を集められるから。

まだ何もないけど、
想像するだけでワクワクするし、
一つずつがぼくの好きな物だから。


生まれ変わったぼくは、

声をだしてみた。

「あ」

「あああ…」

すると、びゅうと風が吹いて、
ぼくの声は、

宇宙っぽいところと、近くになった感じがした。


てのひらを見ると、
確かにそれは、ぼくの手のひらだった。

思い出した。
あの時失われた色は、


オレンジ色だった。


ぼくは初めてぼくが生まれるところを見た。

生まれたぼくは、オレンジ色をジッと見つめて、声を出した。

あ あ あ あ あ

空気が振動する。

終わりは、はじまり。
始まりは、おわり。

生まれたばかりのぼくは、手のひらをぎゅっと握った。

確かにそれは、
ぼくの手のひらだった。

| | 05:27 | comments(0) | trackbacks(0) | - | - |
Comment









Trackback
url: http://blog.singer-yurina.com/trackback/994384

04
--
1
2
3
4
5
6
7
8
9
10
11
12
13
14
15
16
17
18
19
20
21
22
23
24
25
26
27
28
29
30
--
>>
<<
--
Profile
New entries
Archives
Categories
Recent comment
Mobile
qrcode
Links
Others
無料ブログ作成サービス JUGEM