聲。
- 2018.06.15 Friday
- 02:29
ボイスレコーダーで新曲を録音する。
ミュージカル女優さんに送るための参考音源だ。
帰りに録音した歌声を電車の中でイヤホンで聴く。
すると急にイヤホンから、
亀渕先生の声がした。
ボイスレコーダーをリピート再生に設定するのを忘れていて、
自動的に別のフォルダを再生したようだ。
何年も前のコンサートのリハーサル録音だった。
歌の指導をする先生の声を聞いていると、
そこに先生がいるみたいで、
不思議な気持ちになる。
いくつも、
いくつも、
私が聞きたかった言葉がそこにはあった。
歌う上で大切なこと。
それを聞くたびに、
私の、
ピアノを弾きすぎてパンパンになった肩は、
氷が溶けるみたいに力が抜けていく。
聞きながら歩いていたら、
私自身が液体になってしまいそうだった。
その後、
ぽこっと新しい私が出てきて、
私はまた小さく生まれ変わった。
歌を、歌うんだ。
この「聲」で。