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ミュージカル「KIRIKU」音楽監督ゆりなの作曲メモ。前編。

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ミュージカル「KIRIKU」無事に終演いたしました!ありがとうございます!

さてさて、ここでずっと書きたかった、音楽についてのことを書きたいと思います。

まず、再演にあたり、
主催の天翔先生から音楽監督のお話を頂いた時、こちらが変えたい部分を全て伝えました。

前回までの明るくて漫画的でPOPなテーマパークショーのような感じから、

濃く深く、聴く人観る人の心に深く突き刺さる作品に変えたいという思いがあり、

そのためには音楽全体を、ごっそり作り直す必要がありました。
まずは音楽的な伏線の張り方、各場面の音楽のリズムや曲調を決めていきました。

■ミュージカルKIRIKU新曲リスト■

■魔女カラバに従え〜黄金を差し出せ〜

・今回の新曲の中で一番気に入っています。
冒頭スローでザバブが歌い上げるメロディはカラバのソロ曲「砂の薔薇」のサビ部分をアレンジしたもの。

そこからビートが入るところからは、ブルースペンタトニックの音階で、所々ブルーノートも入っており、歌い回しは全て16分音符でゴリゴリのbeatで歌い上げます。

サビの繰り返しパターンが耳に馴染んだところで2コーラス目の最後のフレーズを歌いながら転調。
間奏でビートが変わり、途中からは、
カラバ登場の際の「カラバコーラス」が入り、その後は「Mama Africa」のビリマナの部分のメロディになり、またスローに戻り、冒頭のメロディ。

ミュージカル的な手法を使っています。

歌詞は私なりの現代社会に対する批判が込められていて、私自身が本当に大切だと思うことを、あえて全部「価値のない」「くだらない」「くれてやれ」と否定しました。

「時間をかける意味などない
創るよりも盗め
言い伝えなど踏み潰せよ
生み出すより奪え」

ここの歌詞が特に気に入っています。
だって、全く間違ってるんだもの。

私は一から創るのが好きですが、
世の中には簡単に盗む人がいて、
何も考えない、自分の意思を持たない人が、
人を殺すんだよ、怖いよね、と子供達に話しました。

言っていることが嘘八百だからこそ、
歌もダンスもめちゃくちゃカッコよくないといけないわけですが、
芹まちか先生の振付に痺れました!!
石橋氏のアレンジもイメージを遥かに超えており、そして悪役の三人もめっちゃよかった!!
この曲は書いた甲斐がありました。

「どうしようもないワルだけどかっこいい!」
が狙いでした。
そして、カラバ登場の前にその恐ろしさもアピール出来たことで厚みが出た!と自画自賛してます。

☆エピソード…作曲したばかりの時に、石橋氏にイメージを伝えるために、
レッスン室で私がピアノを弾きながら歌っていたら、ドアの向こうで、天翔先生と、瀬戸先生が、「この曲かっこいいわー」と言いながら踊っていたこと。特にダンサー陣に人気の曲でした。


■ワウィリシモージャ〜二人で一人〜

・石橋氏のお気に入りソング。
今回は登場人物の人間関係がもっと見えてほしいなということで、

キリクとソーニャ、
オーマとミリアの二人ずつの組、
そして、
キリクとソーニャとケジアの三人、
キリクとソーニャとサリアとルムレとスカリの五人。

「二人」があって「ぼくら」がある。

みたいな定番のテーマではあるものの、
リズムは三拍子で、鉄琴みたいにポンポンポンと弾むメロディにアフリカの植物や、食べ物の名前、スワヒリ語の言葉の響きで、アフリカ感を出しました。
曲が出来た時点では、ここまでの魅力的なものではなかったのですが、
石橋氏のアレンジが凄かった!
なんと、アフリカの楽器のみを使ったオケにするというこだわりっぷり!!

セリフから始まって、お芝居の中で歌い出し、並行して二つの場面を描き、歌の中で物語が進んでゆくというとてもミュージカルらしい曲になりました。

コード進行は基本メジャーなのですが、
ソーニャがキリクに連れて行ってとお願いするところだけマイナーになります。
ここは色々試しましたが、ソーニャの切なさや、キリクの優しさが出て良かったな、と思いました。

☆エピソード…ケジアの代役をいつもやってくれてきた、ゆうあちゃんが妙に上手で、
若いお母さんやなあ〜といつも思っていたこと。


■カラバに死を!

・新生キリクの中で非常に重要な役割を担う曲です。
初演キリクでは、ここに曲はなくセリフで進んで行っていましたが、アフリカの歴史を学ぶ中で、ここはしっかり怒りを描く必要を感じ、提案しました。

カラバを責め立てるセリフの後、
キッカケ音ナシの完全アカペラから、
8分の12拍子の早いテンポでスタートし、
村の人々が口々に怒りを口にし、全員で「カラバに死を!」と声を揃えてゆく曲です。

私はミュージカルの中で恋人同士のデュエット曲よりも、
レミゼの「END of THE DAY」、
エリザベートの「MILK」、
ジーザスクライストスーパースターの「The Temple」みたいな民衆の曲が基本的に好きなのですが、あまりそういう曲を書く機会がなかったので、
この曲を書くときはずっと「怒り」についてずっと考えていました。
「1789」などの革命モノも結構見たり聴いたりしました。

この曲は歌唱指導も前日まで、しつこくやってました。言葉の発音の仕方や、音の取り方が穏やかになってしまわないように。

歌稽古では、「魔女カラバに従え」と「カラバに死を!」を代わり番こにやって、対になっていることをみんなに認識してもらいました。

いやしかし、この曲の子達の迫力は凄かった!!


☆エピソード…数え切れないくらいありますが、カラバに死を!と繰り返して行くと、
「西尾カラバ」さんに思えて来るという現象に陥るボイスオーケストラ隊なのでした。


■砂の薔薇

・カラバが月夜に一人で歌うソロ曲。
ミュージカル「KIRIKU」の中での唯一のバラード。この場面を音楽的にどう浮き立たせるかが今回のテーマでした。


まず、歌詞について。

「Desert Rose」という砂漠に出来る砂が結晶化して薔薇のような形になるものがある…というところから着想を得ました。

カラバは「棘」がテーマなので「薔薇」のイメージで、でも実際は砂で出来た儚さを持っていることを表現したいと思いました。

前回まではカラバの「痛み」を表現する場面がなく、そこを歌の歌詞の中で描きたいと思いました。

女性の多くが、外では何か強い女を纏っていて、一人になると「ただの女」に戻る。
そして月にその思いを聞いてもらう。

この歌詞は一度完成してから、演出からもっとライトにというオーダーがあり2.3回書き直しましたが、結局最初に書いたものになりました。

全体が出来上がった時に、この場面はこの深さで良かったと確信しました。


曲について。

まず、このサビの部分のメロディは私の中におそらく10年以上前から、居ました。
美しいメロディがある時、やって来てくれて、
ずっと曲にならないまま、待っていました。

そして一度「千の魂」という歌詞をつけて歌ったのですが、まだこの子は広がりを持ちそうな感じがしていました。

この曲は歌うというより、バイオリンとかの弦楽器で弾くイメージで、なので歌うと物凄く難しいんです。一節での音域が広く、流れるようなメロディ。

他の曲が分厚いオケなのに対し、
この曲はシンプルにピアノ一本のアレンジ。
ピアニストの多久雅三さんにピアノオケを作って頂きました。

音階の感じも、ここだけ「和風」なんです。
アフリカンサウンドの中でここを引き立たせるために私が決めた作戦はここを「和風の音階」
にすることでした。

サビのメロディは「魔女カラバに従え」と同じで、そこでも音楽的伏線をはりました。


■カラバの怒り!

・カラバが怒りのあまり、叫ぶように歌うワンフレーズのみのナンバー。
これも「砂の薔薇」「魔女カラバに従え」のメロディライン。
一人の時は美しく歌っていたカラバが、
声を張り上げて叫ぶように歌うことで、
カラバの「魔女らしさ」を表現しました。

■カラバコーラス

・カラバ登場の部分で、
「カラバ!カラバ!カラバ!」
と歌うサウンドロゴのようなもの。
ゴスペル隊で歌いながら作りました。



とりあえず、前半はここまで!

写真はヒロイン・ソーニャ役の月ちゃんがプレゼントされた「キリクケーキ」。
でもこれ!よく見たら真ん中がソーニャなんです!
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